亡くなった友人の話
何年か前に、共通の女性の友人のFacebookを通して男性の友人の果報を知らされました。
死因は熱中症とのことでした。
寝たきりの人ならば分かるのですが、まだ30代の人の死因が熱中症…?
私は闇を感じざるを得ませんでした。
友人は精神疾患で強い薬を飲んでいたり、正社員として働いた経験もないのにレコード会社の社長をしてトラブル続きでした。
見ていると経験がないのに「私は出来る人間だ」という万能感が強く、いざトラブルが起きると連絡が取れなくなる回避行動を取っていました。
その友人の仕事を私は手伝っていた時期があります。
とある大物アーティストが超大型バンドを脱退してホームレス生活の末、とあるバンドでライブをしたときにダンサーの女性に
「なあなあ、姉ちゃん」
みたいな絡みをしているのをその友人が見て、いたく落胆していたものです。
友人「あの人があんな風になるなんて…」
その後そのアーティストは自殺しました。
そのニュースを聞いて友人はまたひどく落胆していました。
私は「あの人は自分の人生に負けたのかもしれませんね」くらいのことしか言えませんでした。
友人の果報を人づてに聞いて私は、友人も自分の人生に負けてしまったのかなと思ってしまいました。
もちろん正確な状況は私にはわかりません。
本当に熱中症だったのかもしれません。
友人の家庭環境は複雑なようで
友人
「兄貴が親父を殺したんだ…」
と言っていたり、万能感や回避があったりするので複雑な精神状態だったのでしょう。
女性の友人とは交際していたようで、別れたあとは彼女の日記によると
「久しぶり会うと複数の女性と交際し、荒んだ性格になっていた」
恋愛では心に空いた穴を埋めることはできないのかもしれません。
幼少期の彼の心の闇は大人になってからでは解消できなかったようです。
『自分の人生に負ける』
私はその頃から死生に関していろいろ考えるようになりました。
一度隆盛を極めた人も没落したらなんと儚いことでしょう。
人は何歳になっても自分の人生にだけは負けてはならないのです。
地位や名声、お金を無くしてどん底になっても自分の人生は続くのです。